以下の文章を誰か論評して!

世界経済は2008年9月、アメリカ発の世界金融危機に見舞われた。その前年からサブプライムローンの影響が出始めていたが、日本国内への影響は軽微であるとの楽観論も日本にはあった。しかし現実的には100年に一度ともいわれる世界規模の経済危機に日本も巻き込まれた。
見方はいろいろあるが、今回の不況は数年間は続くとの意見が支配的である。金融危機到来寸前まで日本経済回復の原動力ともなっていた自動車産業も大きな打撃を受け、経済の先行きへの不透明感が日本の経営者、金融関係者、労働者、ジャーナリスト、消費者などの利害関係者の心理や行動に、連鎖的に影響を及ぼしている。

日本の将来を考えた時に、選択肢はいろいろだ。

*今のような製造業中心の日本経済ではGDPが続落し、国際競争に勝てないのだから、産業の構造転換を図るべきである。特に食の安全保障からもっと農業や漁業に回帰すべきだ。

*日本は製造業の中でも、付加価値の高い、つまり高く売れて儲かる先端技術の分野にますますシフトをして、世界の中での先進工業国の座を取り戻すべきだ。
アセンブル(組み立て)など労働生産性の低い分野は新興国に譲っても、素材や部品、半導体などの分野で日本はまだまだ成長できる。

*今のコンテンツ産業だけでは、日本の経済を支えていくには不十分だ。日本のコンテンツ産業はもっとメジャーになっていかなくてはならない。でも、メジャーを目指すコンテンツとジャパン・クールとは並び立つことはできるのか?

*外国からもっと観光客や訪問者を呼び込んで、内需を拡大するべきだ。日本は人間の所有欲を刺激する工業製品を作るだけでなく、国土や文化そのものをアピールして産業の柱に育てていくのだ。

*今の生活レベルはそもそも高すぎた。未来の先食いをしてきた反動だ。化石燃料がいい例だ。あと何年持つのだろう?生活レベルを落としても心の持ちようで楽しく明るく幸せに暮らすことはできるはずだ。

*グリーン革命などと呼ばれる環境問題を直視し、世界のエネルギー問題を根本的に見直すいい機会だ。化石燃料に頼るエネルギー政策からの脱却を強力に推進し、これからの世界の礎を築いていこう。

回答は一つではないかもしれないし、この中にないかもしれない。しかし日本の将来を成り行きに任せていいのだろうか?日本の将来はアメリカのように強いリーダーに委ねるべきか?オバマ大統領は一つのスピーチから頂上に立ったと言われている。翻ってわが国の実状。一国の宰相たるべき者が漢字が読めなくてどうするとか、いつからマンガが首相の教養書になってしまったのだと世論はこの国のリーダーに手厳しい。英国ではこの20年以上を3人のリーダーで乗り切ったのに、日本では10人以上も首相が交代している。では、国家の将来が渡り鳥の列のように、国民の総意により瞬時に方向転換できるほど日本の民度、民主主義は成熟しているのか?

要はビジョン、リーダーシップ、バランス感覚である。それに日本固有の道徳や倫理観があればいうことはない。政治とはもともと越後屋さん、尾張屋さんへの税金の再分配が根源にあり、政治に多くを期待できないとすれば、国民の国富・国益/安全保障は、国民ひとりひとりが考えるべき問題だ。